Narrativeでデザイン周りと記事執筆担当の糸山と申します~前編:音楽活動遍歴~

text by 糸山晃司

初めて自分でCDを買った時の事を覚えていますか?

そのCDの店着日の火曜日は朝からどこか落ち着かなく、放課後一目散にこじんまりとした個人商店のCDショップに駆け込みます。 立ち漕ぎで家に帰ると、手を洗うのもご飯を食べるのも後回しで小さなラジカセにしがみついて異世界に入り込みます。かなりの空腹に気が付くまでまで繰り返し繰り返し。

いつからか大人になって感動のハードルが上がり、音楽プレーヤーからディスクトレイが消えましたが、それでもなお僕はあの頃の追体験を探しています。それが音楽であろうとなかろうと。

こんにちは。Narrativeのデザイン周りや文章担当の糸山です。Narrativeを通して、〝あの頃″のような日常のちょっとした特別みたいなものを発掘できればと思っています。 僕自身も福岡で音楽活動している音楽家のはじくれですので、簡単に活動歴を紹介させていただきます。

福岡でのバンド活動歴

ポップス全開のギターロックバンドで、「大学生」という雰囲気をこれでもかってくらい纏っていた学生バンド時代。

19歳当時

別に社会に言いたいことも特になく、友人には恵まれ、所謂リア充バンドだったと思います。ライブこそそこそこやってはいましたが、ライブハウスよりも友達と遊ぶのが好きでしたし、何と言うか、どこか音楽が好きでいるためにちょっと無理してた感、みたいなものが否めない状態。 とはいえ曲を作るのが楽しくて仕方なく、歌うのが楽しくて仕方なかった。そんな時期でした。青春。

解散後はEscape From New Yorkというバンドを結成、ポストロックとオルタナの間くらいの音楽をやっていました。このバンド、今思ってもそこそこカッコよかったと思うんのですが、メンバーの就職を機にまたもや空中分解。ちなみにバンド名は65daysofstaticのアルバム名から拝借しました。 このころはただ漠然とバンドやるのが楽しかった気がしますが、たぶん売れたいとかそんな欲がなかったからかなとも思います。

このころから音楽に対するモチベーションがちょっとずつ「自己満足」に。これは別に悪いことでもなんでもなく、むしろ自分の性格に合ってるのかな、と。 ちなみにこの時のメンバーと、「音楽を掘らない人の作る音楽に興味が湧かない」という話になったんです。

たしかに。

この辺りも現ミュージシャンに聞いてみたいところではあります。

1人で電子音楽制作活動へ

当時22歳。「バンドは生き物」「生楽器こそ」みたいな考え方にうんざり、バンドメンバーを集めるのも集団行動も面倒になり、自分ひとりで好きな音楽を作ろうと始めたソロ活動。エレクトロニカやアンビエントを主軸に、電子音楽界へと没頭していきます。 誰にも何も言われずに自分が感動できる音楽を作るうちに、今までよりはるかに深く音楽に潜り込めたスタイルになったと思います。

現場じゃなくネット、インドアで、というのもポイントだったと思いますが、誰の声も気にせずに自分がいいと思った音楽を漁って聴いて制作してというのは心地よく、おのずと過去よりも音楽愛の純度も高まりました。 koji itoyamaという本名で活動しており、ありがたいことにたくさんのコンピレーションアルバムに参加させていただいてます。

Web業界への興味に発展

毎日のようにsoundcloudやDOMMUNEに入り浸るうちに、個人の音楽であふれるWeb上で自分の音楽を聴いてもらうことの喜び、逆に広める難しさを痛感。Webのメディアやマーケットに興味を持ち始めます。 SNSで腐るほど個人のアートが発信される時代だからこそ、質の悪いものは逆に淘汰され、質のいい音楽こそが広まっていく。そんな風に信じていた時もありました。

しかし、決してそんなこともなく、きちんと発信するすべを知らないと他と同様に淘汰されていくだけです。 最近売れてるバンドを見ても明らかに発信力というか、ネットでの自己ブランディングが上手い気がします。脳みそまでアナログなままでは開けられるドアが限られすぎてしまうんです。

ミュージシャンにとってもネットの知識とかマーケットとかの考えはマストの時代だと思いますし、無頓着のままいると・・・。似たような音楽仲間のコミュニティーの中に身を置くとそのあたりが一辺倒になってしまいがちですしね。

つらつらとありがちなミュージシャンの活動体系について述べてきましたが、Narrativeでやりたいことの根底は「あの頃」の追体験でして、ネットで地域の素敵な文化を広めれば広めるほど、素敵な体験をする人は増えるんだと信じています。

生まれ育って音楽に触れてきた福岡で、福岡の人がその追体験をできれば最高という思いからこのメディアの立ち上げに至ります。 次の記事では僕から見える福岡の音楽周りの景色をもう少し掘り下げてみます。

後編:僕から見える福岡