Narrativeのコラムを通じてやりたい、ただ1つのこと

text by うえみずゆうき

「音」そのものではなく「人となり」にフォーカスすることで、従来の音楽ファンの方以外にも福岡の音楽シーンに関心を持ってもらえたなら。そんな思いで、福岡の音楽メディア「Narrative」は2017年7月1日にスタートしました。

黙って取材だけしていればよいものを、なぜこのようなコラムのコーナーが設けられているのか。 今回、そのただ1つの理由について述べたいと思います。

「福岡」「音楽」「文脈」

Narrativeのキーワードを挙げるとすれば「福岡」「音楽」「文脈」の3つ。極めてシンプルです。 文脈というのは少し説明がややこしいので、今回は単純に「物語」と置き換えてもらって構いません。

「福岡」「音楽」のキーワードを思い浮かべたときに真っ先に思い浮かぶのは、福岡のバンドやシンガー、DJなど、いわゆるプレイヤーが主ではないでしょうか。福岡のプレイヤーにフォーカスして紹介していくことは、 「文脈」というキーワードが加わるだけで、十分貴重な情報になると思っています。

けれど、Narrativeではプレイヤーだけを紹介するつもりはありません。

たとえば、ライブハウスの方やオーガナイザーなど場をつくる人。楽器店の人。さらには、熱烈なライブファン(ライブハウスやバンドマンからリスペクトされるレベルのお客さんもいるほどです)など。 こうした人たちも福岡の音楽シーンを一緒につくっている、僕はそう考えています。 キーワードのしばりこそあるものの、Narrativeで紹介する人物の幅、多様性はなるだけ担保したいと思っています。

福岡の音楽シーンをより立体的に見る

いろいろなジャンルの方のみならず、いろいろな立場の方を取材してこそ、福岡の音楽シーンがより立体的に、リアルに見えてくるのではないかと思うのです。なんなら、県外のアーティストだって、「福岡」という切り口で語ってもらえるのならそれもよい。

ジャンル問わず、ポジション問わず、「福岡」「音楽」「文脈」の軸を守りながら紹介していけるなら、きっと面白いメディアになると思います。

量と質を重ねれば、冒頭で述べた「音楽ファンの方以外にも福岡の音楽シーンを知ってもらえるきっかけを提供し、関心を持ってもらう」ことにきっと貢献できると信じています。

ただ、それでもまだ足りないんです。

コラムコーナーが設置されているただ1つのワケ

2017年9月現在、Narrativeには、「STORY」と「COLUMN」のコーナーがあります。 (サイトのトップページでいうと、上のほうにSTORY、下のほうにCOLUMNがあります)

「STORY」では、書き手の解釈は極力挟まず、ゲストの事実を物語調でお伝えしています。

「COLUMN」では逆に、書き手の解釈・主張を前面に押し出しています。

どうしてこんなことをするのか。一言でいうと、「議論のきっかけをつくるため」です。 言い換えるなら、「福岡の音楽シーンに携わるすべての人の思考を動かすため」です。

より良い何かをつくっていくときに絶対にやってはいけないことは「現状維持」だと僕は思います。 よりよいシーンをつくっていくときに「現状維持」など、ありえないのです。 「現状」を打破するには、思考を動かし、議論し、手足を動かし、思考を動かし、議論し、手足を動かすしかありません。

「もっと楽しい場所にしたい」とか「もっと快適な場所にしたい」とか「もっとクールなシーンを形成したい」とか「もっと多くの人に足を運んでほしい」とか、何でもいいのですが、今以上を考えることはそれだけで0以上(プラス)であると僕は考えます。

このCOLUMNコーナーは「議論を巻き起こすため」、それ以上もそれ以下もありません。

それぞれが考え、議論し、行動していくことでしか実現され得ない、多様な価値観のもとで形成されていく根強いシーンが福岡に育まれていったらいいな、というのが僕の思いです。 「福岡の音楽を盛り上げよう!」とかいうただの温度の高低の話ではなく、しっかりと根を張った大きな木を育てていきたいのです。

こうした思いから、Narrativeでは取材ベースのSTORYだけでなく、自身の考え(本音)を述べるCOLUMNも並行して発信していきます。

これから先、良くも悪くも突き刺さるようなことをコラムの中で述べるかもしれませんが、その意図はあらかじめこの記事で伝えられたかなと思います。

議論のタネを一緒に植えましょう!

誤解してほしくないのは、僕や運営メンバーの思想を世の中に植え付けたいわけではありません。 「それ分かるなー」「それは違うなー」「なぜならば」、議論のきっかけを提供できて初めてこのコーナーは存在価値を持ちます。あくまで一個人の意見として、議論のネタ(タネ)になればいいなと思っています。

僕や運営メンバーの偏った考えでコラムが埋め尽くされるのもどうかと思いますので、Narrativeでコラムを書いてみたい、自分の考えを述べてみたいという方がいたらぜひご連絡いただけると嬉しいです(アーティストのインタビューをしたい人もぜひ募集!)

経験不問、「福岡」「音楽」「文脈」のキーワードにピンとくる方は、ぜひ。