【座談会】 「福岡でバンド活動するということ」 ひいろ(THE INCOS)・山田(IRIKO)・林田(フアリナ)

「継続」とは。「楽曲制作」とは。「バンド」とは。

2018年1月、厳しい寒さの真っただ中の天神は「Rethink CAFE」に集まった福岡のミュージシャン3人が赤裸々に語ります。

曲を作って活動する意義やバンドの展望や夢、はたまたスタジオ事情や福岡という場所についてまで多岐に及んだ話は、3人のほぼ初対面というの間柄をいとも簡単に飛び越えていきました。

進行のNarrative上水を含めた4人でお送りします。

各プロフィール紹介

ひいろ大先生
福岡の男女ツインボーカルバンドTHE INCOSのひいろ大先生。女。いつでもどこでも歌ってる。あと、よく食べよく眠る。たぶん頑固もの。あれ?プロフィールって何書けばいいんだっけ?まあこれでいっか。 いつまでもあそび続けようよ。わたしあなたの星になりたい。

山田 恭兵(今夜が山田)
福岡県久留米市発、4人組ロックバンド「IRIKO」のベース担当。 1987年生まれ。福岡市在住。TOKAI HARD PUNCHER愛好者。 IRIKO自主企画「アマガミ」をコンスタントに行い、2018年3月には初の試みである「ワンマンライブ-SIDE B-」も開催。 2nd Full Album「愛は祈りのように」発売中。

ハヤシダアキラ
フアリナvo。楽器は色々。空・カモメ・港・星・海・川・夜中の森林の空気とお酒が大好き。音楽は観るのも演るのも聴くのも同じくらい好き。良く酔っ払っています。「moon 3」というアルバムを良かったら聴いてください。

自己紹介

――まずは自己紹介をお願いします。所属、名前、福岡在住歴、バンドの活動歴あたりを教えてください。

久留米市から来ましたIRIKOの山田です。福岡市に住んで3年ですが、活動歴は14年目に入りました。

THE INCOSのひいろって言います。福岡には住んで10年くらいです。バンド歴はちょっとあんま覚えてないですけど3、4年くらいだと思います。

フアリナの林田です。フアリナのバンド歴は10年で、住んでるのは40年くらいです。だいぶ上ですがよろしくお願いします。

活動の頻度や内容

――早速ですけど、いきなり音楽の話に入っていきたいと思います。みなさんどんな活動をしてますか?練習やライブの頻度とかも含めて、現状を教えていただけたらと思います。

週1はスタジオ入る感じ。ライブは結成した時は月3、4本やってたけど今は福岡では月1くらいではやろうねって話になってる。年取って来て働きながらになってるから無理がないように。

スタジオは週2回、ライブはだいたい月に2、3本。ライブもいっぱいしたいけど。

頻度とかについてあんまり考えたことないし決め事もない。音楽をやることに対して生活と分けて考えてない。生活の一部というか。やりたい時、やれる時にやる感じで。

――なるほど、「バンドと生活や仕事が・・・」とかってバランスは実際のところどうですか?デリケートなところでもありますけど。

うちは何ですかね。仕事がどうのより、他のバンドやってるメンバーがいるので、そことの兼ね合いですかね。

うちもそうだ。

――それって、やっぱり嫌なものなんですか?

え、超嫌ですよ。ヤキモチ焼きますね。もちろん。恋愛みたいですけど。(笑) 

僕はずっとIRIKO一本でやって来たんですけど、馬鹿らしくなったというか。(笑)

――ええ?

他のメンバーが色々やってるぶん、僕はすぐに動けるようにしてて。で、メンバーが他のバンドの兼ね合いで動けなくなった時にすごい暇だなぁと思って1回僕もサポートやってみたんですけど、あんまり気持ちが入らなくて。なんか浮気してる気持ちになって・・・。でもIRIKOだけに一途でいるのはやめようかな、と思ってますけど。あくまでもメインはIRIKOですけどね。

嫉妬するんじゃなくて、メンバーが自分に尽くしたくなるくらいの魅力がないといけないと思い直しました。それでもヤキモチ妬いちゃうんですけど、それもやる気に変えたいと今は思ってます。

僕はむしろギタリストは旅して経験を自分のバンドにプラスして欲しいかな。ベースとドラムは結構ピッチャーとキャッチャーみたいなとこあるけど、たまにはコラボして技術を還元して欲しいかもしれない。

自分に自信があったらそこはそう思えるんですけど、まだまだですね、私。

ズバリ「売れたい」ですか?

――目標であったりとか、メンバーが同じ方向を向くために何か言語化したりしてるんですか?どうやって目標を共有してるのかについて聞いてみたいです。

あぁ、やっぱミーティングしますよ!僕ら小学校からメンバーは一緒なんで、何も言わずとも向いてる方向一緒なんだろうなって思ってたんですけど、いざ話し合ってみると結構バラバラで。ズレを認識することもありますね。

――基本的に話し合いで修正していくんですか?

そうですねー。じゃないともう昨日の自分と今日の自分も違うというか。そのぐらいの時もあります。みんな30で大人になってますし。(笑)

うちは私とギターが結構主張が強いんで、二人がぶつかってドラムが「まぁまぁまぁ」みたいな。ちゃんと思ってることは全部話すし、そしてこれからどうしたいかも決めていく。スタジオはピリピリしてますね(笑)

僕らは年末に「来年どうするか」とかを1年計画で考える。「ここでリリース、ここでツアー」とか。結構細かく決めますね。

僕らも年間計画決めて、例えば「ここでワンマンするためにこの時期から種まきして」みたいなことは考えますね。

すごい。。私はポンコツなんで、人間的に。なんというか、時間とか苦手で。だから、先のことは考えられない。今を生きるしかできない!

――考えたいとは思ってるんですか?

そうですそうです!考えなきゃとは思ってるんですけど・・・。

――では、質問を変えて、ズバリ「売れたい」ですか?

そりゃ売れたいですよ!

めちゃくちゃ売れたいです!売れないと嫌です!!

う〜ん、売れたい、けど、自分の音楽をしたいし、やることは変えたくない。そういう意味では、自分のことを認めてもらいたいに近いんじゃないかな。突然たくさんの知らない人からチヤホヤされたいんじゃなくて、自分のことを本当の意味で認めてくれる人がだんだん増えてくれたら嬉しいかな。

わかる気がする!

東京のどこかでワンマンって言われてもピンとこないし、自分が知ってる人誰もいないとこでやる気はしない。

――なるほど。

ちゃんと福岡の土地、活動から繋がっておきたいってのはあるかな。

――IRIKOとかはどうですか?ドカーンと行きたいんじゃないですか?

ドカーンと行きたいですね(笑)ここにいる2人ともボーカルじゃないですか。だから僕はちょっと違って、認めて欲しいってのはそんなに強くないです。バンドの顔じゃないからかなぁ。

――と言うと?

もちろん認められたいですけど、メンバーとスタッフと少数精鋭のチームでみんな生活できる資金が回ればそれでいいかな、と。で、自分たちがやりたいことをやり続けたい。まぁメンバーみんな仕事やめて音楽に集中しろとは思わないです。

私はとにかく売れたい!認められたい!小さい頃から変だと言われてきたからか、認められたい欲は強いです。自分のやりたいことをしてそれを認められないと意味がない。でも結局はチヤホヤもされたい(笑)

――正直ですね!ところでIRIKOってスタッフの方がいますよね?どうですか?スタッフの存在って。

僕らはビーステでワンマンやったんですけど、僕らだけじゃやろうって言いだしてなかったですね。やっぱビーステのデカさとか知ってるんで。その人がケツ蹴ってくれた感じですね。それに合わせて年間計画も立てましたし。

――外部の人からマネージメントされることについてはどうですか?

僕らは全部自分たちでやりたい。曲だけじゃなくて活動の世界観みたいなものも全部含めてバンドって感じなので。

計画立てて欲しいです。ポンコツなんで(笑)

うちはマネージメントっていうよりチームの一人って感じなので、押し付けがましいこともないし、親身でとってもありがたいです。僕らを好きでいてくれてることがその人の入りだったんで。

福岡で活動するということ

――ここからは「福岡」のことを聞いてみたいと思います。そもそもなぜ活動が福岡なんですか?

えっとね、メンバーが住んどるからかな(笑)

――なるほど(笑)特にこだわりはなく?

もちろん福岡って土地は好きだけど、音楽やるのにこだわりはないかな。

私もメンバーがいるからだし、メンバーが東京に行くなら私も行くし、全然場所はどこでもいい!福岡はもちろん好きだけど、活動拠点に関しては東京でも福岡でなくてもいい!

バンドとして東京行くかって話になったこともあったけど、先に東京行った他のバンド見ててもあんまり福岡いるのと変わらないかなぁと思って。

――みなさん、メンバーが福岡いるからって理由で、特に福岡にこだわりはないんですね?

そうですね〜。バンド関係なく暮らしてみたい土地はあるんですけど、活動拠点としては福岡でおいしい思いもさせてもらってるので、執着も不満もあんまりないです。

――音楽にその土地土地のカラーってありますか?

あ〜ありますね。

福岡は変態が多いって言われますね。(笑)

特に上の世代はそれが強いですね。福岡のサウンドというか「濃いなぁ〜」っていうね。下はあんまり思わないですけど。だから今福岡は中途半端な感じはしますね。

土地によって音楽が違うというか、音楽そのものは好きなんですけど、好きなバンドのルーツとかも全然興味ないし、どこの場所でやってるバンドかとかも調べもしないです。(笑)

――福岡の中でもたくさんライブハウスがありますが、どこでライブすることが多いですか?よかったらその理由も教えてください。

うちはギターがUTEROで働いてるのもあるのでUTEROが多いし、自主企画も基本UTEROですね。

――そうですね、IRIKOはそうした事情があるとして他のお2組はどうです?

うちはUTEROと四次元とキューブリックと小倉FUSEが多いですね。

四次元は北御門くん(元四次元店長)が抜けてから出らんくなったね。やっぱね、人やけんね。人で出る場所も流れて行くかな。

うちは私がスケジュール管理苦手なので、ブッキングはギターの谷が管理してくれてる。私はでたい、でたくないっていうだけ!(笑)

やっぱ人ですかね。久留米から福岡出てきた時も初めはビブレホールにデモテープ送って、「ここはナンバーガールが出てた箱だ」って言って。でも人が変わってビブレではやらなくなって。

――これはぜひライブハウスの方に読んで欲しいですね!バンド側はライブする場所を人で決めてるんだぞって(笑)

まぁどこのライブハウスか、どこの県で活動するかじゃなくて、結局はバンドの結束力と曲とライブなんだって思いますね。自分がいる場所は中心だと思えることが大事かと思いますね。

曲作りについて

――曲作りに関してなんですけど、バンドによって曲をつくるプロセスも雰囲気も全然違いますよね?

だいたい曲がボツになる時だったり完成しない時って、誰かがスタジオで納得のいかない顔してる。

分かります!自分のフレーズに納得いくまではいい曲って思えないんだと思います!

曲作ってスタジオ持って行った時って、結構メンバーは冷静に分析してるんよね。なんか気に入られんやったらもう次のスタジオからその曲やらなくなる。

自分だけ盛り上がってる時あるのにメンバーは温度についてきてない時あるから。

――デモ聴かせるときはやっぱ緊張しますよね。

しますします!めっちゃします!

でも同じメンバーで続いてるってことは自分の作る曲が認められてるからよね。ダメな曲作るやつと2年も3年も一緒にせんよね。

たまに「おっ!」てなる曲があるとやっぱりこいつとやっていって間違いじゃないなと思いますしね。そういう瞬間があるからずっと続いてるんでしょうね。

音で集まったメンバーやけん、いい仕事することだけがバンドを繋ぎ止めるものみたいになってる、特に30代くらいからはそうやね。さっきメンバーが他の活動するのに嫉妬するって言ってたけど、違うんよね。メンバーが自分の曲に時間を割いてくれることにありがたいと思って、しかも自分にいい曲作らんとメンバーが離れて行くってプレッシャーかけていかんとやね。

本当その通りです!!(笑)

やっぱ結構デモ聴いたときイマイチやなって思うことあるんですよ。でも、後で録音したの聴いてたら「なるほどな」って。「こういうことがしたかったのか」って理解することも多い。作る側と時差があるんですよ。だからファーストインプレッションだけで色々判断しない。

うちのベースも似たようなこと言うんよ!

でも、自分に対してもっと求めてることもあると思います。言わないだけで。

――最後に、2018年の目標を聞かせてくれますか?

日本から出ます。海外でライブしたいです!アジアでいいバンドも多いし、外国で日本語の歌を歌って、どんな反応が返ってくるのか見たいですね。

継続ですね。マイペースで続けることです。それだけ。

私は、今ですね。先のこと考えるの苦手なんで、今現在どれだけ自分がかっこよくいれるか。自分で自分の期待を裏切りたくない!後インコズにしっかり者のメンバーを入れたい!(笑)

――なるほど!今年はNarrativeもいろんな企画を打っていきたいと思っています!その第1弾に出演を快諾していただきありがとうございました!みなさんのご活躍を期待してます!

いい音楽を追求したい、認知されたい、有名になりたい。音楽をやることの理由や活動の根底にある考えみたいなものが透けて見えた今回の座談会企画。冒頭にも言った通り、これまでほぼ面識のなかった3人がこれほどまでに語り合えたのは、音楽に対する情熱ゆえかと思います。

ミュージシャンが普段なかなか話さないようなことを聞ける機会、とても楽しく濃い時間となりました。

また、この場を借りて集まってくれた3人のミュージシャンの方々に改めてお礼を言います。ありがとうございました。

そしてこの3組のバンドをより深く聴く一つのキッカケとなれば幸いです。

各プロフィール紹介

ひいろ大先生
福岡の男女ツインボーカルバンドTHE INCOSのひいろ大先生。女。いつでもどこでも歌ってる。あと、よく食べよく眠る。たぶん頑固もの。あれ?プロフィールって何書けばいいんだっけ?まあこれでいっか。 いつまでもあそび続けようよ。わたしあなたの星になりたい。

山田 恭兵(今夜が山田)
福岡県久留米市発、4人組ロックバンド「IRIKO」のベース担当。 1987年生まれ。福岡市在住。TOKAI HARD PUNCHER愛好者。 IRIKO自主企画「アマガミ」をコンスタントに行い、2018年3月には初の試みである「ワンマンライブ-SIDE B-」も開催。 2nd Full Album「愛は祈りのように」発売中。

ハヤシダアキラ
フアリナvo。楽器は色々。空・カモメ・港・星・海・川・夜中の森林の空気とお酒が大好き。音楽は観るのも演るのも聴くのも同じくらい好き。良く酔っ払っています。「moon 3」というアルバムを良かったら聴いてください。